労災保険とは?労災保険の仕組みをわかりやすく解説

労災保険

保険には大きく分けて「公的保険」と「民間保険」の二つの保険が存在します。

公的保険は国が運用しているので、対象者は強制的に加入しなければいけません。健康保険や雇用保険、後で説明する労災保険も公的保険です。

一方、民間保険は民間の企業が運用しているので加入は任意です。自動車任意保険や火災保険、ゴルファー保険なども民間保険になります。

我が国日本には数多くの保険が存在しますが、ここでは労災保険の仕組みについて出来るだけ分かりやす解説していきます。

(具体的な補償額や認定基準などに関しては各リンク先で細かく説明しているのでそちらで確認して下さい。)

労災保険とは?

労災保険とは労働保険の中の一つで、仕事が原因で病気やケガをした場合に対象者の生活を補償してくれる保険になります。

労働者災害補償保険を略して「労災保険」と呼ばれています。

労働保険にはもう一つ「雇用保険」がありますが、雇用保険は会社を退職した際に失業保険を受け取ことがあるので、皆さん一度は活用したことがあるかもしれません。しかし、労災保険はほとんどの方が使ったことが無いと思うので皆さん無頓着です。

私も会社員時代は、労災保険の意味すらほとんど知りませんでしたから(笑)

労災保険が適用されるパターン

労災には大きく分けて「業務災害」と「通勤災害」の二つの適用パターンが存在します。

業務災害

業務災害とは、工場内作業中にドリルが誤って指に当たって指をケガをした場合など、業務中に負傷や死亡した場合のことです。

労災保険で皆さんがイメージするのは業務災害だと思います。

通勤災害

通勤災害とは、その名の通り、通勤中に事故などで負傷や死亡した場合のことです。

私は事務職なので仕事中にケガすることも無いし関係ない!」って思われるかもしれませんが、通勤途中の災害でも労災保険が適用されるので、仕事中にケガをする機会がほとんどない事務職の方でも労災保険を使える場合があります。

但し、原則として自宅と会社を合理的なルートを活用している場合に限るので、例えば会社が終わって、その後に自宅と反対方向の友人の家に遊びに行く途中で事故に遭った場合は当然ながら労災保険は適用されません。

精神障害でも認定されることもある

超過残業などの働き過ぎで身体に悪影響(ストレス)を与えたり、上司からの陰湿なイジメが原因でうつ病を発症したり自殺した場合など、仕事が原因で直接的にケガをしていなくても身体的な障害で労災認定されることもあります。(心理的負荷による精神障害の認定基準)

2015年に起きた電通に入社した女性社員が過重労働が原因で自殺したのも労災と認定されましたよね。

ただ、精神障害は、仕事中にプレスで挟まれて指をケガした・・・など、直接的な障害ではないので、本当に仕事が原因で精神障害になったとしても必ずしも認定される訳ではありません。企業側が労災を認定したくないという背景もあります。(いわゆる労災隠し)

労災保険の加入者

労災保険は労働者であれば強制加入です。

正社員に限らず契約社員や派遣社員、アルバイトやパート・・・極端に言えば、1日のみのド短期バイトの方でも強制加入だし、その仕事中にケガをした場合でも当然ながら労災保険の給付を受けることができます。

「加入した覚えなんてないけど・・・」って思われるかもしれませんが、入社したその日から自動的に強制加入になりますので、手続きをする必要がありません。

加入できない人

皆さん勘違いしがちですが、労働者=仕事をしている人とは限りません。次に挙げる方は労働者にあたらないので労災保険に加入することができません。

業務委託者

業務委託者とは、内職など作業に対して報酬を得ることができる働き方です。最近ではクラウドソーシングが有名ですよね。

個人事業主

会社などに属せず、株式会社も作らず個人で仕事をしている方たちです。ちなみに私も個人事業主です。

経営者

会社の社長や取締役などは労働者を使う立場になるので労働者ではありません。

これらの方は労働者ではありませんので、労災保険に加入することができません。ただ、一定の条件を満たせば特別加入制度を利用することができます。(このサイトは労働者に向けたサイトになるので、特別加入制度の説明は省きます)

労災保険料

雇用保険料は、労働者が給料の0.4%(事業主は0.7%)を負担しなくてはいけませんが、災保険料は事業主が全額負担になりますので労働者は無料です。

給料明細を見ても労災保険料が徴収されていないので、自分は加入していないのかな?って思われるしれませんが、元々無料なので心配いりません。

保険給付について

皆さんが気になるのは、労災保険でいったいいくら補償されるのか?ということでしょう。ただ、給付金についてはかなり複雑になるのでここでは概要のみ解説します。

  • 治療に対しての治療費
  • 会社を休む際の収入補償
  • 障害が残った場合の障害補償
  • 死亡した場合の補償給付

労災保険の保険給付に関しては大きく分けると4つの給付金が存在します。

治療に対しての治療費

仕事中や通勤中などにケガや負傷した場合は、労災病院など労災指定医療機関で治療を受けることになりますが、その際にかかる初診料や検査料、薬代などを全額負担してもらうことができます。(通勤災害の場合は200円徴収される)

労災保険の給付で使うパターンとして最も使う機会が多いでしょう。

労災指定医療機関で治療しない場合は?」って思われるかもしれません。そもそもどの病院が労災指定の病院か分からないし、仕事中ならまだしも通勤中に大事故を起こした場合、一刻も早く近くの病院で治療を受けたいですよね。

そういった背景がある場合は、労災指定医療機関で受診しなくても構いません。

但しその場合は、自己負担で支払う必要があり、その後に手続きすることで返金されます。

後に説明しますが、労災保険が適用されるパターンでは健康保険が使えないので、10割全額負担しなければいけません。手続きすれば返金されるとはいえ、カツカツの生活をしている方には負担が重いですよね。

また、治療費を支払ってから2年を過ぎると時効になるので、忘れてしまうと最悪全額実費になる可能性もあるので、できれば労災指定医療機関で受診した方が良いです。

会社を休む際の収入補償

小さなケガであれば会社を休むほどでもないでしょうが、ケガにより会社に行けない、業務をまともにすることが出来ない場合は、自宅で休養することになります。

その際は原則として、給料の支払いがありませんが、休業補償としてその一部を補償してもらうことができます。

給付額は給付基礎日額(およそ日給)の60%×休業日数になります。休業特別支援金で更に20%上乗せされるので、実質的に給付基礎日額の80%が補償されます。

ちなみに、休業給付は実際に休業してから4日目からしか適用されませんので、3日までは待期期間になり給付の対象にはなりません。但し、業務災害については事業主が待期期間中の補償をしなければいけませんので、仕事中のケガなどであれば実質的に休業1日目から休業補償を受けることができます。

障害が残った場合の障害補償

治療が終わっても障害が残ったことで思うように働けなくなった場合は、障害の等級により、年金または一時金が支給されます。

同じく介護が必要な場合でも、介護給付を受けることができます。

死亡した場合の補償給付

死亡してしまった場合は、労働者の遺族(家族)に対して年金または一時金が支給されます。

健康保険との違い

労災保険 健康保険
自己負担の割合 0割 1~3割
待期期間の補償 事業主が負担しなければいけない 事業主は負担する必要が無い
休業中の補償 8割負担 6割負担
解雇について 療養中の解雇は法律で禁止 事業主の自由(正当な理由が必要)

仕事中や通勤中のケガなどでは会社の健康保険を使うことができません。

自己負担の割合が違う

健康保険では年代別に1~3割自己負担がありますが、労災保険は自己負担ゼロで受診することができます。また、健康保険は会社と折半して保険料を支払いますが、労災保険では先ほども言いましたが、労働者の負担はありません。

待期期間の補償が違う

休業3日目までは待期期間になり補償の対象にはなりませんが、労災保険の場合は仕事中に起きる業務災害であれば、事業主が待期期間中の補償をしなければいけないので、労働者は実質的に休業1日目から補償してもらうことができます。

休業中の補償が違う

健康保険(傷病手当金)であれば標準報酬日額の6割負担ですが、労災保険では休業給付(6割)に加えて休業特別支援金(2割)が加わり8割負担になります。

解雇についての取決めが違う

どんな状況であれ、労災保険を利用して休業しているときはもちろん、療養中であれ解雇することは労働基準法(19条)で禁止されています。

一方、健康保険ではそういった取り決めがありませんので、ケガをしたことにより業務に多大な影響を与えてしまう場合など明確な理由があれば解雇の対象になることもあります。

労災保険の方が手厚い

表を見てもらえば分かりますが、明らかに労災保険の方が手厚い補償を受けることができます。ですので、例えば通勤中に事故に遭った場合であれば、そのまま病院に行って健康保険を使って3割負担するよりも、労災保険にして全額負担してもらう方が良いです。

自分の適正年収を調べる

「転職サイト@type」に登録すると自分の適性年収を調べることができます。

私も無料診断したら、今の年収よりも44万6千円も高い結果が!

もちろん、全てのサービスを無料で利用できるので、求職中の方はもちろん、就業中の方も、自分の適正年収がどれぐらいなのかを調べてみて下さい。